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K's Backyard

オーストラリアの田舎町での動物とのふれあい日記

チキン物語(思い出)

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何年か前の4月のあるとても寒い朝。ちいさな黒いひよこが知り合いのチキン小屋のコンクリートの床の上に倒れてぐったりしていました。冷たくなって。チャボのお母さんに見捨てられてしまったのでした。でなければ、母鶏のあたたかい羽根の下でぬくぬくとしていただろうに。あわててお湯を入れたペットボトルをタオルにくるんで、その上に冷たくなったひよこを載せて様子を見ました。すると、そのひよこは元気になりました。でも、母鶏に捨てられたひよこはもう戻しても面倒をみてもらえないからということで、私が引き取ることになりました。最初は女の子だと思いTweetieという名前をつけましたが、ある日急に「コケコッコー」と鳴き始めたじゃありませんか。雄鶏だとわかったけど、もう慣れてしまった名前でそのまま呼ぶことに。Tweetie(写真)はペットとして小さい時は家の中で育てたので、大人になってもよく家の中に入ってきました。一時は卵を採ろうと、雌のチキンも3羽ほど飼い、Tweetieがボス・チキンになって、ハーレムをつくりました。Tweetieはペットのせいかおっとりしたところがあり、後ろから近づくと簡単に抱き上げることができましたが、隙を見せると蹴ったり、つついたりするやんちゃ坊主でした。(Tweetieによく襲われた私の母は「テロリスト」と呼んでいました。)spurという2−3センチに伸びた蹴爪が両足内側の足くびの上に生えていて、それで蹴ってくるので、私の脚にはあちこちに生傷が絶えませんでした。(それを見たオーストラリア人たちは  「そんなことをするチキンは普通はスープして食べちゃうのに。」と言っていましたが、私にはできませんでした。)それに比べ、雌鶏たち(Honey, Chocolate, Cocoa)はやさしくて人懐っこくて愛嬌がありました。卵をたくさん生んでくれましたけど、カタツムリやカエル、いもむしなどを食べているのを見て以来、私は気持ち悪くなってその卵を食べられなくなってしまいました。(店で売っている卵は大丈夫でした。)また、それ以前はバーベキュー・チキン(チキンの丸焼き)をたまに食べて、その残った骨を庭の片隅に捨てていましたが、ある日雌鳥たちが無邪気に捨てた鶏の骨が混ざった土を足で掘り返しているのを見てかわいそうになり、鶏肉を口にすることができなくなってしまいました。(今は大丈夫です!)それから雌鳥たちが順に天国へ旅立って、やもめのTweetieに受難が始まりました。若いデイジーが来て、動物の群れを追いかけるという牧羊犬特有の習性から、Tweetieを執拗に庭中追いかけまわすようになりました。Tweetieはもう年寄りだったので、すぐにへとへとになって休もうとする度、デイジーが鼻先でおしりをしゃくりあげるので、ずっと歩き続けなければなりませんでした。Poor Tweetie!最後は草むらに頭だけ突っ込み、隠れたつもりでじっとしているTweeiteの外に出たおしりを(頭隠して尻隠さず!)、デイジーが鼻先で容赦なく突き上げるので、しまいには逆立ち状態になってしまいました。それでもじっと目をつぶって死んだふりをして、なすがままにされ、じっとがまんしてました。Tweetieには悪かったけど、ものずごくおかしくてよく大笑いしました。Tweetieは最近までチキンにしては8年間という長い人生を送りました。(オーストラリアでは鶏のことを別名チュック[chook]と呼んでいます。多くの家庭で卵のために飼っています。)