K's Backyard

オーストラリアの田舎町での動物とのふれあい日記

Tawny Frogmouth

下の写真はTawny Frogmouthというフクロウで、我が家の近くにたくさん生息しているのだそうです。どうりで、よく夜に庭を歩くと、このフクロウが木の上にいるんで す。よく見るとちょっと口の形が蛙の口に似ているのですが、それでこのような名前がついたのかしら?調べたらカタツムリ、ナメクジ、蛾、ネズミなどを食べ ているそうです。いつも夜しか見たことなかったのに、この日は珍しく昼間にしかも地面にいたところを写真にとりました。

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この後、その場にじっとしていたので、おかしいと思って、捕獲して箱に入れて野鳥保護専門の獣医へ連れていきました。そうしたら、頸椎にひびが入っていたらしく、安楽死になってしまいました。その前に窓になにか当たったような衝撃音を聞いているので、この鳥がまちがってぶつかってしまって、怪我をしたようです。とても愛嬌のある面白い鳥なので、本当に残念でした。自然の動物も人間と共存するとなると、こういうことがあるんですね。今後、こういうことが起こらないことを祈っています。

廃品利用の鳥の餌台

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もうおなじみだと思いますが、Red Wattlebird(幼鳥)が餌を食べに来た様子です。餌台になっているのは、電力会社が不要になって廃棄した古いガラス製の電線の絶縁体。市のゴミ捨て場で経営している中古品店で見つけてそれに鎖をつけて吊るした廃品利用です。溝があるので、餌を置くのにとても便利です。汚れたら水で洗うとすぐにきれいになります。

餌はスーパーで買っている粉状のものですが、水を加えて練って使うwet food。この他にもう一種類のwet foodと混ぜてRed wattlebirdの餌を作っています。毎日、決まったメンバーが朝、夕と餌を食べにやってきます。よく「ポポポポッ」と大声で鳴いて催促します。なかなかのちゃっかり者です。

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上の写真は餌の材料。いろいろ栄養のあるものがバランスよく調合されています。Wattlebirdsはこの餌がとても気に入っているようです。

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こちらは餌の粉にお湯を入れて、耳たぶほどのやわらかさに練ったもの。熱湯を使うと粘りが出て、うまく小さな(直径8-10ミリぐらい)丸い団子状にまるめることができます。

私のお気に入りの大人の雌のPrincess Wattleは毎日餌を食べにきます。最近は餌の時間になると、時々Butcherbirdも見かけるようになりましたが、初めはWattlebirdsが餌を食べるのを興味津々で見ているだけでした。ところが、しばらくたったある日、プリンセス・ワトルが餌をくちばしにくわえて近くの木へ飛んでいったら、「私にもちょうだい!」って感じでそばへ突進して行きました。すると、驚いたワトちゃんが地面に落とした餌をすかさず拾って食べてしまいました。初めてこの餌をブッチャー・バードが食べたのを見たけれど、元々肉食系の鳥だから、草食系のhoneyeater用に作った餌をおいしく感じたかどうかは定かではありません。あれから姿を現さなくなったので、気に入らなかったのかもしれませんね。

クッカバラの日向ぼっこ

Laughing Kookaburra(ワライカワセミ)が4羽のグループで私の書斎の窓のすぐそばまで、遊びにきました。天気がよかったので、みんな日に当たってのんびりひなたぼっこです。

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一羽は窓のすぐ外に置いてある古いトランポリンのフレームに止まって、grooming (羽繕い)です。(トランポリンのフレームは普段はワンコの毛布やタオルを日に干すのに使っています。)とっても気持ちよさそう。

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こちらは木の上でグルーミングです。珍しく背中を向けた写真が近くで撮れました。結構、カラフルな羽根をしているんですね。翼の青色がとてもきれいです。羽根がふわふわでぬいぐるみみたい!

ところで、下の写真の花は何の花かわかりますか?我が家の庭で見つけました。

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これはユーカリの木の一種で、Spinning gumと呼ばれているものだと思います。面白いことに、若い時にはこのように丸いシルバー・グリーンの葉をつけますが、大きくなるともっと濃い緑色をした細長い葉をつけます。無数の白い糸でできたようなかわいらしい花がついて、鳥のhoneyeatersやみつばちが蜜を食べにきます。

新種のロゼラ発見?

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Crimson Rosellaという鳥が珍しく、水鉢に水を飲みにきて、ちょっと我が家の庭で遊んで行きました。この鳥は鮮やかな赤と青の色が特徴の鳥です。でも、あれっ?一番左の木の上にいる一羽だけちょっと変じゃない?新種のロゼラかな?下がズームインの写真。

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他の2羽とは大分違う色合いと柄だと思いません?調べたらこれもCrimson Rosellaで、若鳥なのだそうです。大人になるとグリーングの羽根が抜け落ちて、体のほとんどが鮮やかな赤と青の羽根に覆われるんですって。知らなかったわ!Red Wattlebirdの幼鳥も大人の鳥にある顔の赤いwattle(肉垂れ)やお腹の黄色い色がない、とても地味な色をしていて、木に止まっていても敵から目立たないようになっているようですが(4月2日の「プリンセス・ワトルのひなたぼっこ」参照)、Crimson Rosellaの子供も緑色がたくさん入って、木の葉や草とあまり区別がつかないようになっているのかしらね?自然界の動物ってよくできてます。また感心させられましたわ。

Black & White

オーストラリアにはカラフルな野鳥もたくさんいますが、白黒の野鳥もけっこういます。代表的なのは前にも紹介しましたけど、やはり下の写真のAustralian Magpie。全国どこにでもいます。カラスより小柄で、体長は36-44cm。近づいてもすぐに逃げず、とぼけたしぐさで、地面の中にいる虫を足でほじって食べる様子がとても滑稽です。

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次の写真はMagpie-larkと呼ばれる鳥です。Larkというだけあって、ヒバリの一種なのかな?家の庭に毎日やってきます。上のmagpieより小さくて体長は27cmですが、白の割合がもっと多くて、長いか細い足が特徴。いつも夫婦ペアで行動して、結構気が強く、縄張りに入って来た自分より体の大きい鳥も勇敢に追っ払いっているのをよく見かけます。目の上の白いまゆげが面白いと思いません?

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下の写真の鳥はPied Currawongという鳥で、Magpieよりも大柄で体長が41-51cm。全体に真っ黒に見えますが、翼としっぽにちょっと白が入っています。とても不気味な声で鳴きます。マグパイやマグパイ・ラークのように毎日庭で見かけます。何年か前に庭の高い木の上に巣を作って子育てしたけれど、大分経ってからその真下にある小さな小屋の屋根の上をよく見たら、いろいろな小鳥の羽根が散らばっているのに気付きました。カラウォンは肉食で、小鳥を餌としてひなに与えていたんです。ぞっとして、その巣は長い棒でつついて落として、使えないようにしました。それ以来、家の庭にはカラウォンに巣を作らせません。かわいい小鳥を守るために、庭に現れると大きな音を立てて追っ払うようになりましたが、ワンコのデイジーもいっしょになって追っ払ってくれます。カラウォンとマグパイの区別がつかないので、庭でどちらかをみつけるとワンワン吠えまくって、教えてくれます。(ティピも生きている時によく吠えてくれました!)本人は私のお手伝いをしているつもりなので、叱ることができませんけど、結構、近所迷惑じゃないかなって心配になります。

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因に、近所の猫が庭に侵入して来た時には、夜中でもずーっとワンワン吠えまくります。もちろん、ニャンコも必死になってどういう訳か、いろいろな種類の庭の木の中でも必ず柳の木に登って、朝が来るまで じっとしています。(子供の頃に聞いた「天才バカボン」という漫画の主題歌で "柳の枝に猫がいる、だからネコヤナギ〜”という歌を思い出しますわ。猫は柳が好きなのかしら?)かわいそうなニャンコ!でも、ワンコの習性なので仕方ないですね。

野生の鳥が集まる庭

庭に野鳥が集まってくるのに訳があります。まず、餌になる実をつける木があること。写真のSulphur-crested Cockatooはくるみが大好物。我が庭にはくるみの木があって、毎年、たくさん実をつけますから、Cockatooは大喜びで食べます。同じ写真の後ろ側にあるのは松の木の一種で、松の実をつけます。こちらはYellow-tailed Black Cockatooがよく食べにきます。

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くるみとか松の実を食べない野鳥を庭に惹き付けるには、やはり餌と水をあげる必要があります。特に、寒い冬には餌となるものが少なくなるようで、餌をあげるといろいろな鳥が寄ってきます。こちらのスーパーでは、野鳥の種類毎にいろいろなタイプの鳥の餌が売っています。下の写真のEastern Rosellaが食べている餌は粒をブロックに固めたもので、真ん中に通った針金を木に吊るすことができます。鳥はやはり木の上で餌を食べるのが好きなようです。

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木に吊るすタイプの餌は袋に入った粒がばらばらになった餌に比べて高価なので、年がら年中あげる分けにはいきません。そこで、下の写真のようにはちみつの容器で小さなバケツの形をした入れ物に粒の餌を入れて木に吊る下げたら、よろこんで食べてくれます。

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野鳥が毎日集まるような庭にするには、ちょっとした努力が必要です。何にもしないのでは、やはり鳥さんたちもあまり来てはくれませんから。

キング・パロットの寄り道

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今日の朝早く、とても珍しいお客さんが訪ねてくれました。ちょうど朝日が逆光になって、ちょっとはっきりしませんけど、King parrotsのペアです。雄は頭からおしりにかけて鮮やかなオレンジですが、雌は首から上が緑、下がオレンジで、両方とも背中や翼が緑色になっています。とてもきれいな鳥ですが、色合いが鮮やかな朱色と緑色が特徴の京都の平安神宮の建物を彷彿とさせます。体もGalahよりも大きくて、立派です。たまたまそばを通りかかったようで、GalahやCrested Pigeonが餌を食べているのをじっと見て、とても関心があるようでした。結局、餌は食べずにすぐに飛んでいってしまいましたけど。

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ところで、これは庭に生えているOak Tree(樫の木)。冬になると常緑の木以外は葉が黄色や茶色になって、落ちてしまいますが、この木は写真のとおり葉が茶色になっても、春になって新しい葉が出て来る時まで、枯れ葉をつけたまま冬を越します。こんな木があるなんて、ここに来るまで知りませんでしたわ。このような特性のためか、昔からヨーロッパではstrength(強さ)とendurance(忍耐)のシンボルとして大切にされていたとか。秋になるとたくさん私の親指の太さで長さが2,3センチぐらいの大きなどんぐりが実って、地面に落ちます。野鼠などが食べているようです。ワンコのデイちゃんもときどき食べています。私は食べたことないけど、どんな味がするのかな?

 

ワンコの防寒対策

アーミデールもいよいよ冬本番。昨日の朝はマイナス3度で今年一番の寒さに。雪は降りませんでしたけど、辺り一面真っ白な霜に覆い尽くされました。さぶ〜い!

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寒い時はマイナス10度にもなるので、動物も防寒対策が必要です。(特にニャンコは夜は必ず家に入れてもらわないと、よく凍死してしまうんですって。)ワンコは寒さには強い方ですがそれでも我が家のワンコは本格的に寒くなると犬用のジャケットを着せています。

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裏が毛布のような布で覆われているので、ぽっかぽか。でも、運動させる時には邪魔になるし、暑すぎるので脱がせますけど。

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これはデイちゃんの家。冬は入り口をこうやって2重のバスタオルでふさいで、外側も屋根が空くデザインなので、屋根と壁の間の隙間から風が入らないように、古いrugをかぶせています。中にはウレタンの敷物の上に毛布を3枚とバスタオル2枚を敷きます。もちろん、毎日、太陽に当てて干しておきます。ワンコも夕方、ベッドを作ってあげると、大喜びで自分の小屋に入ります。ティピちゃんが生きている時には、年寄りだったので毎日それを楽しみにしていたみたい。もちろんティピにも冬はジャケットを着せていました。手間はかかりますが、大好きなワンコのためなら全く苦にならないですわ。OZの友達に私のペットへの過保護ぶりを見て、「今度、生まれ変わるなら絶対、あなたのペットになって生まれ変わりたいわ。」なんて言われちゃった。それって、褒めてるの?それとも、からかってるの?

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野鳥の餌の食べ方比較

家の庭にやってくる野鳥たちにもいろいろ餌の食べ方があります。

まず、くちばしが曲がったオウム系の食べ方を見てみましょう。

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上の写真のCrimson RosellaやYello-tailed Black Cuckatoo、そしてLittle Corella (下の5月24日のブログの写真参照)などは上手に足を使って、松の実やくるみなどの大きな餌ならわしづかみにして、とうもろこし、ナッツ、ひまわりの種などの小さな粒の餌は指の間に挟んで口まで持っていって食べます。小さな粒の餌が山盛りにある場合には、顔を餌に近づけてくちばしだけを使って食べています。黄色い頭飾りの大型のオウムSulphur-crested cuckatooも同じようにして食べているのを見たことがあります。ただ、今までにGalah(モモイロインコ)やRainbow Lorikeetがそのようにしているのは見たことがありまん。

次はHoneyeaterはどうでしょう。花のみつや果実、昆虫を食べる鳥で、Red wattlebirdなどがそうです。

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以前にもご紹介しましたが、この種の鳥は長いくちばしをもっています。これで花の中心にくちばしを入れて、中の蜜を吸うようになっています。この写真のRed wattlebirdのくちばしから見えますが、舌先はBrush Tipと言われてるように、とても細かい毛のようものが無数生えていて、それで蜜を効率よくすくい取れるようにできているようです。この舌先を使って果物の果汁ややわらかい果肉も上手に口に運びます。練り餌を食べる時には、くちばしでまず固まりをくわえて持ち上げてから食べますが、写真のように、餌を飲み込む時に舌を出します。また、よく捕った虫をくちばしにはさんで運んでいるのを見ますが、捕る時に舌も使っているのかなどはわかりません。

下の写真はPigeons & Doves(鳩系), sparrows, migpiesなど、尖ったくちばしを持つ鳥ですが、顔を餌に近づけてくちばしでつついて食べ、足や特殊な舌先を使ったりすることはありません。こうして見ると、オウムやハニーイーターという種の鳥にはちょっとした特技が備わっているようです。

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野鳥の世界の力関係

我が家の庭には野鳥が一種類ずつ訪れるのではなく、よく違う種の鳥が一緒に現れます。縄張り意識のとても強いワトちゃん(Red wattlebird)はどの鳥に大しても攻撃的で強い(というか「強がっている」)といっていいですが、他の鳥同士間でもいろいろと力関係が存在します。

例えば鳩のCrested pigeonとGalah(モモイロインコ)ではどうでしょう。

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餌のあるところでGalahは必ずPigeonをつついて追い出します。中には力の強いPigeonもいますが、たいていはGalahが満腹になるまで、そばで見ているしかありません。

次はGalah vs Little Corella です。

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今度はGalahがちょっと体の大きいLittle Corellaに餌台を譲ります。LIttle Corellaはよく、Galahがグループで食べている餌場に飛び降りて来て、「あっちへ行け」とばかりに威嚇すると、気の弱いGalahは下に降りて、おこぼれを食べます。

では、Galah vs. Rainbow Lorekeetはどうでしょう。

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この写真を見ると、まるでGalahが威嚇してRainbow Lorikeetが遠慮しているような様子ですが、実は体が小さくてもRainbow Lorikeet の方がずっと気が強くて、この後この写真のGalahはRainbow Lorikeetに餌を譲ります。

オーストラリアでは「まぬけ」とか「バカ」な人をGalahと呼ぶそうです。とっても人が、いや鳥がよくて、おっとりしているからかしら。でも、私はこのピンクとグレーの鳥はとても頭がよくって、きれいで、愛嬌があって、大好きなので、そんな意味があろうとはちょっと意外だったな。